オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
それは洞全体を破壊し始めたけど、あたしは目の前で繰り広げられている闘いに目を奪われ、逃げるなんて思いつきもしない。


暴れだした大蛇の胴体に何故か失礼男はジッと見入り、右手で腰に下げたホルダーから銃を取り出し、小さく呟いた。


「今、楽にしてやる」



その呟きはあたしの耳にも届いたけど、その言葉に秘められた意味をあたしが知るのは、だいぶ後になってからだった。


失礼男は片手で狙いを定め、引き金を引いた。


今までとは違う銃撃音が響き、大蛇の胴体にひとつだけあった黄金色のウロコが弾け飛ぶ。


すると。


大蛇の体は動きを止め、その場に崩れ落ちるとピクリとも動かなくなる。


それからしばらくすると、大蛇の体は輝きだし、光る雪みたいな淡い光の球に変わって四方に散り散りになる。


大蛇の頭は失礼男が剣を抜くと、あたしを拉致した男のうちの1人へと戻った。


服は着ていたし、傷ひとつついてなくてただ気絶していただけみたいな様子だった。


……って。これはいったいどうゆうコトなんでしょう?
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