オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
コイツ、めちゃくちゃ強いじゃん!


「ねえ、これはいったいどういう事なの?あんたいったい何者なの?」

あたしが次々と疑問をぶつけても、失礼男はあたしに一瞥もくれないで洞から出ていこうとする。


ムカついたけど1人になるのは怖くて、あたしはヤツの後を追って洞から出た。


ヤツの足はやたらと早くて、追いかけるのが大変だった。


ずいぶんと歩いた先で、ヤツは足を止めた。


「おい、おまえ。どうして俺の後を着いてくる?ストーカーが趣味なのか?」


…………


ストーカーが趣味か、ですかい。


「あたしも帰り道がこちら方向なんだけど。あんた、自意識過剰じゃない?」


ふんっ!どうよ。


言ってやったわ!!


だけど、あたしに返ってきたのは。


「取って付けたような安っぽい挑発に乗れるほど俺も暇じゃない。
帰りたければ帰れ。俺がここで見ててやる」


何倍返しにもしてくれました、失礼男の傲岸不遜な言葉でした。


あたしはカチンと来たから、意地になってヤツの脇をすり抜け歩き出した。
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