オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
あたしの背中がゾワリと泡だったのは、だいぶ歩いた後だった。
腕時計を見ると午前2時。
草木も眠る、丑三つ時ですよ。
友達との怪談話でよく盛り上がった時間帯だった。
『キョウコ……チャン』
あたしの耳にその声が届いたとき、あたしは思わず足を止めた。
あたしは急いで首を巡らし周りを見回してみたけれど、特にへんな化け物とかはいなかった。
気のせいだよね?
あたしは自分にそう強く言い聞かせ、早足になってその場を駆け抜けようとした。
だけど、それは叶わなかった。
いつの間にかあの鬼の怪物があたしの前に立ちふさがったから。
頭は牛みたいに角があり、背に生やした翼はコウモリの皮膜にそっくり。
体はムキムキのマッチョマンに猿みたいな毛がぼうぼうに生えてた。
『キョウコチャン……ボクトヒトツニナロウヨ』
あたしは逃げようとしたけど、足ががくがく震えて力が入らない。
怪物は耳まで裂けた口をニタリと歪ませると、鋭い牙が並んだ端から粘液をたらしていた。
腕時計を見ると午前2時。
草木も眠る、丑三つ時ですよ。
友達との怪談話でよく盛り上がった時間帯だった。
『キョウコ……チャン』
あたしの耳にその声が届いたとき、あたしは思わず足を止めた。
あたしは急いで首を巡らし周りを見回してみたけれど、特にへんな化け物とかはいなかった。
気のせいだよね?
あたしは自分にそう強く言い聞かせ、早足になってその場を駆け抜けようとした。
だけど、それは叶わなかった。
いつの間にかあの鬼の怪物があたしの前に立ちふさがったから。
頭は牛みたいに角があり、背に生やした翼はコウモリの皮膜にそっくり。
体はムキムキのマッチョマンに猿みたいな毛がぼうぼうに生えてた。
『キョウコチャン……ボクトヒトツニナロウヨ』
あたしは逃げようとしたけど、足ががくがく震えて力が入らない。
怪物は耳まで裂けた口をニタリと歪ませると、鋭い牙が並んだ端から粘液をたらしていた。