オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
思わずちらっとやつの顔を見ると、朝日に照らされたヤツの顔は、憎たらしいほど綺麗だった。


あたしは割れない程度に乱暴に、やつの横に白湯入りのカップを置いてやった。


だけど、ヤツは礼も言わず、当然とばかりに口を付ける。


む、ムカつく!


茶葉があれば、うんと渋いお茶をだしてやれたのに!!


あたしはヤツからなるべく離れ、自分が縛られていた椅子に腰掛けて白湯をすすった。


ちらっと時計を見ると、朝の6時ですよ……


う゛〜〜……


みんなになんて説明しよう。


あんな非常識なこと、大真面目に話せるわけないし。


あたしがひとりで悶々と考えこんでいると、それを見透かした様にやつが口を開いた。


「おまえの愚策など、役に立たん。俺が全て説明すれば済む。
おまえは何も言うな」


「はいはい……どうせあたしはバカですからね」


あたしがいじけながら言うと、やつはどうしてかそのまんま黙り込んだ。


やっぱりこんなやつでも良心が痛むのかな?


あたしは微かな期待感を持った。
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