オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「でさぁ、ウチの女のダチ何人か連れて来いっ、て。勉強ばっかで堅苦しいダチに青春させたい、ッてさ」
「あら、ジュン君ったら友達思いの優しい男の子じゃない」
ユリの話に早速マリリンが喰い付いてきた。
「ねえ、ユリ。ジュン君は何人来るか言ってた?あぶれるのは嫌よ」
ユリに負けない秋色模様のネイルアートを見せながら、マリリンはスマホをぶらぶら遊ばせつつ核心に斬り込んでく。
「4人だってさ」
「ジュン君を含めて?」
渋々ユリが答えると、更にマリリンは念を押す。
「そうだよ!ジュンを入れて4人だってさ。もういいかな!チカとキャンはどうするの?」
苛立たしげにユリは話を切ると、今度はあたし達に振ってきた。
「え~!チカ、ケンがいるもん。マジ勘弁して欲しいんだけど」
そう言ってチカはぎゅっとケンの腕にしがみつく。
そりゃそうだよね。ずっと想ってきてやっと叶ったんだもん。
ユリだって知ってるはずなのに、何でそんなこと言うんだろ?
あたしはその無神経さにちょっとムッとした。