オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



「コイツはヒトデ。わかるか?ヒ・ト・デ」


博君は『アリス』に、海の生き物を手に載せて丁寧に教えてた。


ん~~……


何だか奇妙な事態になっちゃったな。


あたしもアンサンブルの上着を脱いで、スカートをたくし上げたまま浅瀬で生物観察してみた。


《ここは豊かな海じゃのう~。今では珍しく生命が生き生きとしておる》


アプレクターじいちゃんは、ふんどし一丁姿でスイスイ泳ぎ回りながらそう言った。


……って言いますか……。


木のアプレクターが自由に泳げるなんてね……。


あたしがそう思ってると、視界の片隅にチラリとナギの姿が見えた。


海には入ってないけれども、かなりの軽装になって裸足でいるように見えた。


気になって目だけ動かして見れば、ナギは狩野さんと何やら声を潜めて話し合ってる。


……なによ!


正式な所員であるあたしにすら聴かせられない話があるわけ!?


あたしはムッときたけど、それを堪えてわざと大きな音を立てながら浅瀬経由で2人に近づいた。


< 818 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop