オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
4
本当に信じられなかった想いだけど、それなら全てに説明が着いた。
赤石に度々と感じた既視感。
そして、あの時の変わらないな、と心に響いた声。
漠然と感じていた、黒髪の王子さまはナギじゃないという想い。
だけど、わからない。
もしも赤石と逢ってたなら、少しは覚えてる筈なのに、あたしにはまったく記憶がないから。
「信じられないのも無理はないよね。私が君を見つけたのが、あんな状態の時だったから」
……あんな状態?
赤石はあたしが小学1年生の夏に逢ったと言った。
その時にあった出来事と言えば。
ゆっくりと記憶を手繰り寄せたあたしは、思わず声を上げそうになってとっさに口を手で塞いだ。
体が震えて気分が悪くなってくる――。
ドクンドクンと動悸が酷くなる。
赤石は黙ってあたしの隣に腰掛け、肩を抱き寄せる。
あたしは不本意だけど、彼の胸に凭れるしかなかった。
「そう……あの事件で犯人の男を殴り倒して君を助けたのは私だよ。直ぐに警察にも通報した」
赤石に度々と感じた既視感。
そして、あの時の変わらないな、と心に響いた声。
漠然と感じていた、黒髪の王子さまはナギじゃないという想い。
だけど、わからない。
もしも赤石と逢ってたなら、少しは覚えてる筈なのに、あたしにはまったく記憶がないから。
「信じられないのも無理はないよね。私が君を見つけたのが、あんな状態の時だったから」
……あんな状態?
赤石はあたしが小学1年生の夏に逢ったと言った。
その時にあった出来事と言えば。
ゆっくりと記憶を手繰り寄せたあたしは、思わず声を上げそうになってとっさに口を手で塞いだ。
体が震えて気分が悪くなってくる――。
ドクンドクンと動悸が酷くなる。
赤石は黙ってあたしの隣に腰掛け、肩を抱き寄せる。
あたしは不本意だけど、彼の胸に凭れるしかなかった。
「そう……あの事件で犯人の男を殴り倒して君を助けたのは私だよ。直ぐに警察にも通報した」