オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
「最初は泣き叫ぶ君を見ても、何も感じなくて。
そのまま無視しようと思ったんだ。
ちゃんと茸を採らないと義父に殴られる強迫観念があったから。
だけど、助けを求める君の目を見て、私の中で何かが大きく弾けて。
気がついたら、男を殴りつけてた。
男が動けなくなるまで殴り倒して、ヤツの携帯電話で通報したんだ。
……君は虚ろな目を空に向けて、何も映してない顔を見るのは辛かった。
だけど君と逢えて、私は変われた。
アプレクターと呼ばれる存在に気づき、それを使役出来るようになった私は、力を得て自信を持てた。
そして、アプレクターを使い夢を通じて君を見守ってきた」
「……どうして私を?」
ずっと訊きたかった事を、あたしはやっと口に出来た。
赤石は抱きしめた力を緩め、あたしの目を間近に見つめる。
息が詰まりそうな胸の苦しさと戸惑いが、あたしの中に気恥ずかしさを生じさせた。
「何度も言ったように、最初は好奇心。だけどだんだん楽しみになった。
頼られてるとわかったから、現実の生活にも張り合いが出て頑張れたんだ」