オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
赤石は一度あたしから離れ、体を向きなおした。
「君に頼られてることで、私は生きる力を得たんだよ。
毎日逢えなかったけれど、君は癒やしで生きる支えになった。
私は臆病だったから、自分から君に話す事はめったになかった。
……いや……違うな。
私が本当に臆病だったのは、君にだけだった」
赤石の言いたいことが、あたしにはわからない。
赤石は目を伏せ落ち着きなく手を組み替えると、小さく頷いて顔を上げた。
「……いつからか、気付いてた。
私の中に芽生えた君に対する特別な想いを。
現実に逢いもしないのに馬鹿な、と、現実で何人もの女とも付き合ってみた。
だが、忘れられるどころか、ますます想いが膨らんでゆくばかりで。
私は、恨みを抑えて産土商事へ就職し、麗子に近づいて君に逢えるのを待った。
予想通りに君は凪のそばに着いて現れた。
……だが、私は冷静でいられなかった。
凪のものになった君を見て。
だから、嫉妬してあんな乱暴を。
本当に申し訳なく思う。
しかし、だからこそ私は本気だよ、杏子」