オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
赤石の黒い目が、あたしの青い目を捉えた。
掴まれた訳じゃないのに、縫いとられたように目が離せない。
頭が真っ白になってた。
「私は、君が好きなんだ。……他の誰にもこんな気持ちを抱けなかった」
好き……?
赤石の告白は、あたしの中であの声と重なった。
赤石に乱暴される前に、夢心地で聴いた声と。
「好きだよ、杏子」
赤石は再び囁いて、現実を理解できないあたしの頬に手をやり、口づけた。
あたしの王子さまが現実に側にいるんだ。
あたしは夢か現か理解できないまま、彼の行為をぼんやりとした意識で見ていた。
だけど、いつの間にか彼に体重を掛けてソファーに横たえられ、ブラウスのボタンが外された時。
あたしの中にあるナギへの想いが心を強く揺さぶって、あたしの意識を目覚めさせた。
「赤石さん、止めてください!」
あたしはそう叫んで力一杯押し返そうとしたけれど、やっぱり壮年の男性には敵うはずもなくて。
突き出した手を逆にソファーの背もたれに押し付けられた。