オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
長い間あたしを支えてくれたひとに残酷な事を告げなきゃいけない現実に、胸が苦しくなる。
けど、だからといっていい加減な態度でいたくない。
あたしは、ナギが好き。
赤石には、それを解ってもらわなきゃいけない。
睨む訳じゃないけど、あたしは視線に力を込めて赤石に言った。
「あたしが帰るのは、ナギの元だけだよ。あたしは、彼が好き。ずっとそばに居たいんだ」
解ってと願いながら、話した。
赤石はなにも言わずにソファーから降りたけど、あたしはすぐに動けなかった。
赤石が見せた、傷ついた瞳を見たら。
まるで、雨の中で捨てられた、ずぶ濡れでさまよう子犬のように。
悲しく、寂しそうな、絶望に彩られた瞳だった。
赤石は背を向けて立ち上がると、ポツリとひとこと呟いた。
「やはり君も私を見捨てて離れてゆくんだね」
その後ろ姿は本当に寂しそうで、痛いほどの孤独感が胸に迫ってきた。
「専務のマンションに送るよ。今日はもう帰った方がいい。専務には私から事情を説明しておくから」