オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】



「大丈夫か?ゆっくり息を吸うんだ」


彼の言うとおりにゆったりとした間隔で深呼吸をしてみたら、動悸も収まって楽になった。


赤石は助手席のシートをかなり倒してあたしを横たえてくれた。


「気分はどう?」


「うん、もう平気……ありがとう」



まだちょっと苦しかったけど、あたしは笑って見せた。


あたしはもう、彼に心配してもらう資格なんかない


彼の気持ちを拒絶してしまったから。


「それなら良かった……なら、ちょっと付き合ってくれ」


赤石の言葉に、あたしは自分の表情が強張ったのを感じた。


けど、赤石は寂しそうな笑みを浮かべてあたしを見ずに言った。


「二度も乱暴しておいて信用しろ、なんて虫のいい話かもしれないけどね。どうしても君に見て欲しいものがあるんだ。
もう、君に強引に迫って嫌われるのはつらいから。
約束するよ、君の中の王子さまに誓って」


赤石は心底反省している風に見えたから、あたしは一応信用する事にした。


傷つけたお詫びの意味もあるかもしれないけど。



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