オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
赤石さんがあたしを庇って怪我を負った1ヶ月後の5月はじめ、彼は個室に移る程に回復してた。
あたしはあれからナギの秘書も産土探偵事務所の仕事も辞めて、時間があれば毎日彼に付き添ってお世話してた。
自分が犯した罪を償うために、一生彼の側に付いて彼の足代わりに歩いていかなくちゃならない。
そう、赤石さんは……
お医者様が仰った通りに、腰椎椎体圧迫骨折が原因で立ち上がれなくなったから。
手術自体は成功したけれど、脳挫傷による左手の軽い運動障害も残った。
あんなに元気で健康だった人が、あたしを庇ったばかりに一生自分の足で歩けなくなったんだから。
あたしは、自責の念で3日間泣いて泣いて……
空っぽになった頭には、何も残らなかった。
ただひとつ、ナギへの想いだけを除いて。
あたしは彼に別れを告げた後、全てが虚しく色褪せて見えた。
赤石さんが助かったと知っても、呆然と聴いてただけで。
看護士さん達は恋人を心配したあまりと勘違いしたみたいだけど。