オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
あたしは躊躇わず、指輪を手にした。
ナギはあたしの左手を取り、薬指にはめてくれてから、小さく囁いた。
――――愛してる。
―――あたしも――。
あたしは応えようとしたけれど、その口はナギの唇に塞がれた。
水しぶきがキラキラと光り輝いた中で、あたしとナギは初めて気持ちを通じ合わせられた。
何分かわからない。
ナギがやっとあたしを離した後、あたしは報告すべき事を口に出した。
「ナギ、聴いて欲しいことがあるの」
「なんだ?」
ナギは優しくあたしの肩を抱き寄せてくれる。
ドキドキしながら深呼吸したあたしは、胸を押さえながら口を開いた。
「あのね、実はあたし――……」