アライブ


『惨めだね…自分の大切な妹に騙されて…』


水無月あおいは修二を哀れんだ。


『そんな…。どうして…杏菜…どうしてお前は四季神時也たちの味方に…どうして…』


修二は悲しげな表情で杏菜に尋ねた。


『別に味方って訳じゃないよ。あたしにとって時也もお兄ちゃんも大事。ただ…あたしたちの先祖である希来夢たちを抹殺した政府を許せないだけ。政府を許せないから…だから希来夢の血を引くお兄ちゃんにも力を貸して欲しくて…ゴメンね。一緒に世界を無に帰して、新しい世界を作ろうよ』


杏菜は修二に頭を下げた。


『おかしいよ…杏菜。おかしいよ…お前たちの考えはおかしいよ…世界を無に帰すって…おかしいよ…』


修二はうわごとのように告げた。



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