桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜





食堂は私の想像以上に広かった。


学校の食堂と比べ物にならない。



机の周りは四、五人がグループになるよう木の椅子が置かれ、それがずらっと食堂に広がっていた。



私はぼーっと広い食堂を見渡していると、音祢に腕を引っ張られ、開いてる席に座らされた。


「ここで待ってて、私が注文してくるから!!」


そして、音祢は私を置いてそのまま注文しに行ってしまった。







一人になった私。



《何だあいつ・・・新入りか?》
《あんな着物初めて見たぞ、異国の者か?》
《見ろよ、アイツの瞳と髪・・・血のように赤いぞ》
《気味が悪いな・・・》
《まさか妖鬼が化けてるんじゃなねぇだろな?》
《ヒェエエェ!!怖ぇ!!》


一人になった瞬間、周りからの冷たい視線と陰口が私に集中する。



やっぱり私はどこに行っても化け物扱い、か・・・


まぁ、予想通りだがな。



だってこんなこともう体に染み付く程、体験してきたことなのだから。




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