それでも、すき。


罰が当たったんだ、きっと。


信じるって言ったのに、結局信じられなくて。

最後まで疑って、彼の過去を探ってしまった。


そして理由も聞かず勝手に逃げたあたしへ

神様が下した罰―――。




「香椎くんっ!!!」

涙と雨で視界を滲ませながら、香椎くんの肩を揺らした。

だけど香椎くんは浅い呼吸を繰り返すだけ。



「やだぁ…っ!」


頭の中が混乱していて

どうしたらいいのか
どうするべきなのか、それすらわからない。


ひたすら
香椎くんの名前を叫ぶ。


するとその瞬間、香椎くんの制服のポケットから携帯が落ちて。

あたしは咄嗟にそれを掴み上げた。


水しぶきを上げ
車が通り過ぎてゆく。



震える指先でメモリーからその人を探しあてると、ゆっくり携帯を耳に押し当てた。

そしてすぐに途切れた呼び出し音。




「……助けて…、」


携帯を握り締め、電話の向こう側に震える声で呼び掛けた。

相変わらず、あたしたち二人を秋雨が打ち付ける。



「香椎くんを助けて…っ!」




まるで
全てを洗い流すように。





< 118 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop