それでも、すき。
所々に描かれた柚マーク。
そんなに前の事じゃないのに
何となく懐かしささえ感じながら最後のページへと辿りつく。
“放課後、音楽室で待ってる”
初めて。
関係を持ち、恋人へと変わったあの日から初めて
柚マーク以外の事が、このノートに書かれていた。
抱き合う為じゃなく
向き合う為に。
奪い合う為じゃなく
話し合う為に。
初めて、このノートが二人を繋いだ。
ぎゅっ、と胸が縮まる。
決して上手いとは言えないその文字が滲んで、笑い声が響く教室で一人、涙を飲み込んだ。
こうなる事を
心のどこかで覚悟していた。
『じゃあ、ちゃんと話さなきゃ。』
菜未ちゃんが言ってたように、こんな日が来る事をちゃんと予想していた。
逃げたままじゃいられない。
このままじゃ、お互いずっと中途半端に傷ついたままだから。
二人が始まった場所で
あたしたちは
この恋の終わりを、迎えるんだ。