魔女と少女の願いごと
「あー、疲れた。ダルい」
自分の部屋の机に突っ伏す。
タダでさえ先輩にフられて気分最悪なのに、追い打ちをかけるように先生の説教。
本当、今日はツいてない。
「ミキー!夕飯出来たから降りてらっしゃい!」
リビングから聞こえるお母さんの声に、私は突っ伏していた顔を上げる。
「食欲ないからいらないー」
「あら残念ねー、食後のデザートにコンチェルトのケーキ買ってきたんだけど」
「コンチェルトのケーキ!?」
concerto―コンチェルト―
それは私が最も愛して止まないケーキ屋。
ふわっふわのスポンジに程よい甘さのクリーム。本当にあそこのケーキは美味しい。
特にモンブランが私の一番のオススメ。
「待って、今行く!」
甘い物は別腹っ!
私は一目散に階段を駆け降りた。