指折り★Holiday
禁句。




廊下側、最後尾。





この時期は寒くって不人気だけど、
あたしにとってはいつでも超人気。





遅刻ギリギリでも、
教室に滑り込んだ瞬間着席だし。



ここまで遅刻に貢献してる席なんて、
もうないと言っていいね。うん。





その席に座りながら、
今日も小説を読むために携帯を開く。






「菜子、それ好きだねー」




前の席に座る友達。



授業終了直後に読むあたしに、
感心しながら言った。




「当たり前! もう超好き~」


「まぁ、おもしろいけどね」





綾乃と違い、
携帯小説を褒めたその子。





わかってる!
綾乃なんか「もー、いいって」で終わりだもん!」




「でもさー」




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