My Sweet Sweet home

「醤油とって」





「うぃ。」





寝ぼけてソースを渡してくる弟の修平。





「アホ。」





修平の頭を軽くこずいてあたしに醤油をわたす拓兄。





後ろではママがせっせとお弁当をつくっている。





パパもも眠そうに朝食を食べていて。





あたしのささやかで幸せな朝のひと時。





あの日からパパ、ママ、そして拓兄に愛情をたっぷり注がれながらすくすく育ち、あたしはこの春晴れて大学生になった。





「拓海、ゆかは大学生になったばっかりなんだから、変な勧誘なんかからちゃんと守ってあげてね。」





最近のママの口癖がこれだ。その前は「高校生になったばっかりなんだから・・・」その前は「中学生になったばっかいなんだから・・・」だった。





「心配ねぇよ。ちゃんと監視してっから。」





拓兄の冗談まじりの言葉にも嬉しくなる。監視なんて言葉で嬉しくなるなんてあたしはもしかしたらドMなのかもしれないな、と朝からまったくくだらない事を考える。






こんなあたしがよく、拓兄とおんなじ大学に入れたなってつくづく自分に関心してしまう。



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