My Sweet Sweet home

「俺らいくわ」





一気にコーヒーを飲みほし行くぞの変わりであたしにポンって合図する。





俺行くわではなく、俺らという言葉がたまらなく嬉しい。





車で行っても少し遠めのその大学に向かうため、家族の誰よりもはやくあたしたちは家をでる。





車を開ける姿も、キーを差し込む姿も、PからRに変えバックするその横顔もすべてが愛しい。






「うしっ。行くぞ。」





朝の光とともに拓兄の助手席に乗っているあたしは、世界一幸せな朝を過ごしているに違いないと思う。





「朝から授業だりー。なぁ?」





「いっつも寝てるでしょ。」





赤信号、あくびをかみころす拓兄。




でもね、あたしほんとは知ってるんだよ。





拓兄がもう1講からの授業なんて1つもないってこと。





4年生のあとは卒業のみの学生が1講の抗議をとるはずないってこと。





あなたは月曜日3講からだってこと。





ほんとは知ってるよ。あたしが1講あるから、あたしのためにわざわざしなくていい早起きをしてくれてるんだよね。





毎日軽く100回くらいはあなたに感謝してる。





ありがとう拓にぃ。っていつも思ってるんだよ。













あたしを送りとどけたその後医務室のお姉さんといちゃいちゃしてることも知ってるけどね・・・






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