My Sweet Sweet home

お昼どうしようかななどと考えながら、教室を出ようと立ち上がった瞬間だった。


キャーーー


出入り口の方から女の子の甲高い悲鳴が上がった。


あたしが出入り口に向かう合間もその付近は瞬く間に人だかりでうめつくされた。


その悲鳴の"原因"に何の興味も沸き起こらないあたしは、ただただ出るのに苦労させられただけだった。


やっとのことで抜けだし、人だかりとは逆方向に歩き始めた時だった。


「おっ！ゆかー！」


声のする方に振り向いた瞬間、あたしは人だかりの"原因"を理解した。


女の子の群れから頭２つくらい抜きん出た拓兄が、あたしに向かって群れを掻き分け寄ってくるところだった。