愛の華
「私はもう…綺麗なんかじゃない…」
夕日を眺めながら、そうつぶやいた。
私を"綺麗"と言ってくれるのは…
宏太だけで十分だった。
冷たい心を持っている私には、
"綺麗"なんて言葉は似合わない。
綺麗なのは…あの夕日。
そして、あそこで散っている桃の花――…。
「何言ってんだよ」
「………」
「綺麗っていうのは…見てるだけで心を奪われそうになる事なんだぞ?」
雄也は向き合って、私と視線をぶつける。
ちょっとだけ恥ずかしそうにしているのは…
気のせい――…?
「だったらお前は…超綺麗じゃん…」
口を尖らせながら、雄也は照れ笑いした。
私が…"見ているだけで心を奪わそうになる"女なの…?
…雄也はきっと、気をつかってくれてるんだね―。
私が今、何を思っているか理解しているから…。