愛の華
「雄也はお世辞が上手だね~」
なんて笑いながら、私は不安を打ち消していた。
これ以上、雄也に迷惑かけたくない。
余計な気を遣うことも遣われることも、
雄也も私も不安が募ってゆくだけ…。
「桃の花が散ってる…。ほら見て、雄也」
こうやって他愛のない話をして、
その不安を解消する以外…
私にはどうすることも出来ない。
もう隣には居ないと分かっている宏太の存在が…
きっと雄也にとっては良い存在とは言えない。
私がまだ宏太のことを引きずっていること…
雄也は多分知っているはず。
本当に最悪な女―。
"綺麗"なんかじゃなくて…
"汚れている"…。
「なんでだよ…」
桃の花を眺めている私に、雄也は何かを問いかける。
「なんでお前…そうやって強がんの…?」
「………」
桃の花の後ろに輝く夕日が、
雄也の姿を映し出しているかのように見えた―…。