放課後Kiss





「…っ…」



そんなリナから微かに、息の呑む声が聞こえた。


…多分。


泣きかけてる?



そう思った俺は、軽く話題を変えてみた。





「…てか。人のキスをタダ見して、そのまま逃げるんだ?」



口角を上げて、リナに言う。


「…な…っ、それは…っあんなとこでそんなのするから…っ」




そんな俺の言葉に、反抗するリナ。



…あーあ。


なんだ、コレ。


こんな些細なことが、なんか嬉しくて仕方ない。
…なんて。


…俺も、とうとうどうかしたのかも。



そう思いながら、そんな自分に呆れて微笑した。




…その時。



「…ごめん。…もう、邪魔しないから…」



グッと俯いて、リナはポツリとそう言った。



…は?


「……何、ソレ」



邪魔?



…あぁ。そっか。


リナは、俺と麻由美を“邪魔”したと思ってんだ?


…本当、邪魔だよ。


…もし、あの時リナが来なかったら、自分の気持ちにさえ気付いてなかった。



そう思うと、はぁ…、とタメ息がでた。








< 51 / 56 >

この作品をシェア

pagetop