騎士戦争


己が“楽しみ”に向けられていた


笑いに笑う悪鬼はこれから起こることを想像してのこと


「神々遊び。これ即ち、命の与奪だ。人を創るのはそれを観察し、退屈しないように。人を殺すのは飽きたから次を創るため。

もっとも、ご覧の通り私は人を創ることは出来ない。だからこそ、他人の命を強引に略奪するんだ。

最大限に“楽しい殺害方法”でね……!」


その歪な塊が向けられたフェンリルは眉ね一つも動かさない


ただ


「何の真似だ、ビギナー。私はそんなつもり毛頭ないが」


もとからある威圧感に殺意が備わった


腰にある細身の双剣に僅かながらに手が行っている


「毛頭、ない?そんなに怖い顔をしてかい。それとも……、もっとやる気にしてほしいのかな」


言って、彼は鎌で宙を切った


肝心の人はおらず、本当に風を切っただけ


ビギナー自身は切らない

なぜなら


「目の前で大切な部下を無くしちゃえばやる気も出るだろうねぇ」


総団長の近くに囲っていた兵士が一人倒れた


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