姫のさがしもの。


…本当は私だって
帰りたくないよ。




その手を同じように
強く握り返す私。



「でも、

また夕方会えるし

とりあえずいったん
解散しよ!」


名残惜しいけど、
私はそう答えた。



宮岸さんは
にっこり笑って

その手を離した。



「そうだね。

ごめんね、

こんな時間まで
連れ回しちゃったね。


帰ろう!」



そう言って
彼は立ち上がった。
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