姫のさがしもの。
「ん?なあに?」
彼に抱かれたまま
私はそっと聞き返した。
彼の腕の中は
本当に心地いい。
大きくて暖かい彼の胸に抱かれて
ついつい
彼に愛されているような、
期待と妄想が
膨らんでしまう。
でも、
今日もどうせ
それはただの妄想に終わる。
抱きしめるのはOK。
でもキスはNG。
そんな境界線が
彼の中にはバッチリと
出来上がってるらしいから、
私のドキドキは
たぶん今日も
無駄な動悸に終わる。
「姫夏。今日は
俺もうダメかもしれない」
そう、やっぱりダメだよね
またダメか…
・・・・・・
…って
何が!?
「え…?
何がダメなの?」
彼の腕に抱かれたまま
私は顔を上げて
彼の目を見る。
彼は何か考え深そうな
顔つきをしている。
・・・?
「俺…今日は
キスするかもしれないわ」