姫のさがしもの。
…うわぁ〜
なんか気まずい…
急に、朝のメールを
思い出す。
返信してないのは
まだメールを見てないって
ことにしておこう…。
そんなことを
悶々と考えていると
宮岸さんが口を開いた。
「コンビニに行かれるって
仰ってたんで、
高層階用エレベーターを
呼んでおきましたよ。
タイミングばっちりでしたね。」
そう言ってニッコリ笑う彼。
「え…!そうだったんですか?
ありがとうございました!
お陰で、会議には
間にあいそうで…
・・・っっ!?」
最後まで言葉を
言い切れないまま
彼に私はグイッと
腕を捕まれて
引き寄せられた。
エレベーターは
17階…
16階…
と、降りていく。
彼の腕にギュッと
抱き締められる私。
「み、宮岸さん!?
ここ…会社!」
もごもごと
彼の腕の中で
強く抱き締められながら
口を動かす私。
宮岸さんは、
さらに腕の力を強める。
「18階からは
ノンストップだろ?
誰も乗ってこないよ」
13階…
12階…
「みや…ぎし…さ…」
ちょうど私の口は
彼の胸の辺りに
ギュッと押さえ
つけられていて
うまくしゃべれない。
「エレベーターホールで
待ってたんだよ。
誰か先に乗ってたら
1本遅らせるつもりで。
二人になれる場所、
ここしかないから」
9階…
8階…
「姫夏。
俺、今日22時に
川辺の大階段で
待ってるから」
6階…
5階…
「え…待ってる…って…
そんな!
……っっ!?」
柔らかくて暖かい感触。
彼の唇が私の唇に
そっと触れた。
3階…
2階…
1階…
ギリギリまで
彼は私の唇を
離してくれなかった。
チーンという音と共に
地下一階に降りた
エレベーターは
扉を開いた。