姫のさがしもの。


「付き合ってるとしたら?

そんなの想像も
付かないけどな〜

てか、宮岸さんから
もらえるなら
何でもいいや(笑)」


照れながら私が
そう言うと

優希は溜息をついて



「いい?姫夏。

これは妄想なの!

ほんとにもらえる訳じゃなくて
もらえるなら何が欲しいの?
って聞いてるだけ!

も〜姫夏ったら
夢がないよ〜〜!

私なら
50万円の
ヴァンクリフの指輪
ぐらいは言うね〜」


と言った。


…ヴァンクリフなんて
婚約指輪でも
高価すぎるぐらい高価じゃん。




「ヴァンクリフは無理でしょ〜

でも、いつかは
カルティエの
ラニエールリングぐらい
もらえたら…

いいよね〜…」



私は、確かに
その時、そう言った。


そしたら、優希は
食いついてきて


「あれ、3色あるじゃん。

姫夏はシルバー派?」


と聞いてきた。


…妄想だから、色まで
考えてなかったんだけど。



「そだなー。

ピンクゴールドが
いいかな〜」


昔、カルティエのお店の
ショーケースで見たのを
思い出しながら言った。


なんだか、妄想でも
そんなことを考えてると
ワクワクしてきたというのに


優希はそこで急に
私を現実に引き戻した。


「ま、指輪は号数が
わかんないから、

おねだりしなきゃ
くれないだろね。」



…そりゃそうだ。

モチロン、号数なんて
聞かれたこともないし

指輪が欲しいなんて
言ったこともないワケで。



甘い妄想は
そこでプツリと絶たれた。
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