†シークレット・ラブ†

ゆっくりと
強く抱きしめられたままソファに沈んでいく体


瞼を開けると
真剣な眼差しで
あたしを見つめる彼の瞳



このまま



彼に抱かれたら



あたしの心は
楽になれるのだろうか…



一瞬…

誠司の顔が脳裏に浮かんだ…



誠司だって

きっと今頃…
裕美さんと…




次の瞬間


彼の顔があたしからゆっくりと離れていった…。




ゆっくりと離された体は、さっきまで帯びていた熱がスーと冷めていくようで


思わずぬくもりが欲しくて

手を伸ばそうとしたけど


心のどこかで
ブレーキをかけていた事に気づき

伸ばしかけた手を
そのまま自分の胸へと戻した…。



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