†シークレット・ラブ†

確かにそう。

この不景気な時期に、主人の稼ぎだけで生活できているんだ。

とても幸せな事


よく分かっている。


「けど…」



「話は終わり。祥子は何も働かなくていい。祥子には、何も苦労をかけたくないんだ」




そう強い口調で言われたら


もう、何も言えなかった──…






「分かった──…そうする──…」



「良かった。じゃあ、もう行くね。きょうも遅くなりそうだから。先に寝ていいよ」



「うん。ありがとう」



寂しいと、素直に言えない自分が嫌いだった。





< 46 / 265 >

この作品をシェア

pagetop