†シークレット・ラブ†
確かにそう。
この不景気な時期に、主人の稼ぎだけで生活できているんだ。
とても幸せな事
よく分かっている。
「けど…」
「話は終わり。祥子は何も働かなくていい。祥子には、何も苦労をかけたくないんだ」
そう強い口調で言われたら
もう、何も言えなかった──…
「分かった──…そうする──…」
「良かった。じゃあ、もう行くね。きょうも遅くなりそうだから。先に寝ていいよ」
「うん。ありがとう」
寂しいと、素直に言えない自分が嫌いだった。