少女のヴァンパイア
「キルギスさん」
どんどん寒くなっていく部屋でグレンはキルギスを呼んだ。
キルギスはグレンを視界に入れるとはっとしたように、目を見開いた。
すると急に温度がもとに戻った。
「ごめんなさい」
「いえ」
「…少し昔話するね」
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時はさかのぼり、
事件が起きた瞬間。
キルギスは嫌な予感がした。
「キルギス?」
キルギスの異変にいち速く気づいたリーフが声をかける。
「リベルが危ない。」
そう言ってキルギスはイオラとリベルがいる場所へ跳んだ。
そこへついた時、キルギスは言葉を失った。
白で統一されていた筈の部屋は赤に染まっていた。
その部屋の角にイオラの姿があった。
けどその姿は血まみれで
生きていないとわかった。
そして部屋の中心には
バーナードと倒れているリベルの姿があった。
「リベルっ!!」
キルギスはリベルのもとに駆け寄った。
リベルは寝転がっていて、
足元から灰となりかけていた。
辺りはリベルとバーナードの血と言えるものが、
辺りに散らばっていた。
ヴァンパイアの世界を代表するふたり。
それがどれほどのものか、
計りしれない。
部屋に収まるのが不思議なぐらいだ。
いや、
ヴァンパイアのこのふたりが本気で殺りやったのだったら
こんなぐらいで住む筈もない
それはキルギスにもわかっていた。
しかし
今のキルギスはなにも考えられなかった。
「どうして…」
キルギスは小さく呟く。
リベルの近くに無表情なバーナードを見つめて。
キルギスの緑色の瞳が深紅に染まる。
二本の犬歯が伸び、
ヴァンパイアの姿となった。
「バーナード…あなたがやったの?」