少女のヴァンパイア
そんな中、
シュリーはひとりの男と出会った。
シュリーが歌うのに夢中になっている時に気配を消して、
シュリーに近付いていた。
男がシュリーの側に来た時、
ようやくシュリーが気付き、
歌うのをやめた。
動物たちも去っていった。
男は短髪の黒い髪をしていて、
身長はグレンと同じぐらいの180cmだった。
目は灰色の目をしていて、
みたものを虜にするような何かを感じた。
「やぁ。みかけない顔だね。
グレンの新しい餌かな?
それにしても可愛いなぁ~。
俺が食べちゃいたいぐらい。」
男は話し方からして、
グレンの知り合いのようだった。
そこらにいる女なら馴々しく、
男に腕を絡めるだろう。
だが、
シュリーは男の話してることなんか、
少しも頭に入っていなかった。
あの日のあの男がシュリーの脳裏に描かれた。
シュリーはガタガタ震え出した。
男はわけが分からず、
シュリーを呆然とみていた。
―…苦しい…息ができない。
そんな衝動に駆られたシュリーは地面に膝をついた。
首もとを手で押さえて、
苦しそうに呼吸をしていた。