少女のヴァンパイア
シュリーがもうだめだと思った時、
グレンが現われた。
「ジャックか?」
グレンにジャックと呼ばれた男は振り向いた。
グレンは"こんなところで何をしている。"と言おうとしたのをやめた。
シュリーが苦しそうにしているのをみたからだ。
「シュリー!?」
グレンは急いでシュリーに近寄った。
シュリーはグレンの方をチラッとみた。
そして少しだけ安心したように微笑んだ。
そして苦しい息のなか、
口を開いた。
「ご…めん…なさい…」
グレンは優しくシュリーを抱き締めた。
「いったいどうしたんだ?」
グレンはシュリーがどうしてこんなにも苦しんでいるのか分からなかった。
グレンはジャックのほうをむいた。
「お前…シュリーに何かしたのか?」
その声はあまりにも冷たかった。
もし"そうだ。"と冗談でこたえたとしたら、
一瞬で灰にさせられてしまうような恐ろしさを感じさせる音色だった。
シュリーはフラフラと言うことを聞かない手をグレンの頬へ伸した。