開かない扉
「くくっ・・・契約はないよな。えっと・・・真面目に申し込まないと・・・千代さん、僕と結婚を前提にお付き合い願いますか?」
「・・・はいっ」
「んじゃ、まずは毎日お昼ご飯をここで作るか、届けに来てください。
僕はけっこう我がままなヤツで、苦労しますよ。」
「そんなの気にしません。のぞむところです!」
千代が元気よく、ナオに返事をすると
「私ものぞむところよ。がんばるわ、先生!」
「!!!ゼア・・・出かけたんじゃなかったのか?」
「忘れ物よん。( ̄m ̄〃)ぷぷっ!じゃ、行ってきます。千代ちゃん、またね~」
千代はこんな雰囲気がとても懐かしく思えて、思わず笑みがこぼれる。
「もう・・・ゼアさんってほんとにタフ。あっちでもこっちでもやっぱりゼアさん。」
「おかまのライバルは気にならない?」
「ゼアさんは優しい人だもん。先生のことをほんとによく知ってるし、考えてるし・・・おねえ系なしゃべり方だけど、私にも優しいのよ。
ライバルだなんて思ってないし、ここで再会したときだって、とてもよろこんでくれて、何度もkissされちゃった。」
「なっ・・・!kissってほっぺに?」
「ううん、唇・・・。あっちでもそうだったでしょ?ハグ&キス」
「う・・・なんか油断ならないヤツ。僕はそんなの知らないんだけど・・・そっか、わざとあいつ僕がいないときに・・・。
千代ちゃん、やっぱりさっきのお昼ごはんがっていう頼みは撤回!っていうかあとまわし。緊急で頼みがある。」
「えっ、緊急の頼みって私にできること?」
「もちろん。千代ちゃんじゃなきゃ、嫌だ。」
「いいよ。私にできることならかなえてあげる。おまかせあれ♪」
「えっいいの。やったぁ!あの・・・さ・・・」
ナオは千代の耳元で囁いた。
「贄のときと同じ契約をこれからしてほしいんだ・・・けど。」