開かない扉
「もう・・・今日は最初のデートなのにぃ・・・」
「あ・・・そうだよね。この世界は千代ちゃんのご両親や僕の家族もいるし・・・
何言ってるんだ・・・俺・・・」
ナオはかなり焦って申し訳なさそうな表情になった。
「自分のペースを乱しちゃうと一人称が俺になっちゃうクセも同じね。うふふ。
ちょっと待ってね。」
千代はナオのいる部屋から出て、玄関近くで自宅に電話をかけ、なにやら大声でうったえていた。
そして、しばらくして、ナオの前に立つと
「お母さんにね、明日、私の旦那様になる人を連れて帰るからって言って、お泊り許可とっちゃった。
契約が終わったら、明日はうちにきてくださいね。」
「千代・・・即契約はうれしいけど・・・うれしいんだけど・・・ご両親に挨拶って・・・初めてだから妙に緊張してきた・・・。」
「えっ?」
千代を抱きしめる手が震えるナオに千代は少しおどろきながら、笑いかける。
「ほら、がんばらないとぉ!・・・((3つ若くなったらすごくカワイイ♪
こんな表情もするんだぁ。うふっ」
「お・・・い・・・面白がってるでしょ!
許さない!ここで即契約!」
「きゃぁ!あ・・・だめだってば急ぎすぎ!・・・あん、うぐっ・・・んんっ・・だ・・・め・・・」
ちょうどそのとき、2人のいた世界で診療所を開業したルイゼは診療所の待合室に水晶玉を置き、少なくなった魔力でできることを試していた。
「さぁ・・・千代たちはどうしてるんだろうなぁ。神様の話じゃ、元の世界でよろしくやってるってことだったけど・・・。」
診療所にいつもきていた患者さんたちも皆で水晶玉をのぞきこんだ。
「あん、せんせ~~~やだ・・。どこさわって・・・いきなりなんて・・・ああっ!」
「千代、愛してる・・・ん~~~~」
ドカーーーーーーーーーン!!!!
「あ、ごめんね。ちょっと調子が悪いみたい・・・((何やってんだ、あいつらは!こんなの見せられないだろ!でもまぁ・・・元気でなによりかな。あはっ))」
ルイゼが診療所で皆から冷たい視線を浴び、ブーイングに泣いたのはいうまでもなかった。
おわり・・・。(*^^)v
