駆け抜けた少女【完】

「もし、とり憑かれてるとすれば――……」


四人は、確かな根拠はない。


だが、その可能性は0ではないと思った。


しかし、誰もその名を口にはしなかった。



悪霊なのか、そもそも霊現象だけでは矢央が引き起こす現象を説明すらできない。


他人の傷を、自らに移す能力も、タイムスリップも、そして、ある人物に似すぎた容姿も。


なんて説明すれば、いいのか。

「これに、見覚えある?」

と、藤堂は掌を広げ沖田に見せた。


それは、藤堂が矢央が眠っている間に拝借した赤い石だ。

「それは……」

「知ってんのか?」


目を見開く沖田に、土方は問う。


「見たことはないんです。
ですが、聞いた物とコレは似ている」


沖田は、藤堂から赤い石を受け取り、じっと見つめて思い出していた。



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