駆け抜けた少女【完】

近藤がお華の祖父が亡くなってひきとった日、お華は大切な物を御神木の下に埋めた。


それはどんな物かと聞いたら、赤く綺麗な石で、守り石だとお華は教えてくれたのだ。



「守り石………か」


永倉は、沖田の心中を察していた。


さぞかし複雑だろう、と。


ようやく矢央と自然に話せるようになり、見ていれば矢央自身に惹かれ始めている沖田。


なのに、またしても沖田の心を惑わす謎が降りかかるなどと。

畳に視線を落とし、心の中で恨み言を吐く。



お華、おめぇ…しっかり成仏してくれよ。


お華と矢央。


やはり、どうしても切っても切れるものだと四人は考えていた。


そして、もしこの先矢央の身に何かあった場合

それぞれ、どんな手段に出るだろうと


その想いだけは、誰も口にはしなかった―――――










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