駆け抜けた少女【完】




その頃、土方に任を与えられた斉藤は京の町を調査している。

壬生浪士組の名が広がりはじめた近頃、壬生浪士組を偽り金策を行っている不逞浪士の調査だ。


一軒の茶屋に入った斉藤は、店の中をさり気なく見回す。


昨日、この茶屋でも金策を行っていて、そのやり方があまりにも横暴なため、さらに浪士組の評判は落ちただろう。


まるで、芹沢局長のようだ。


ズズーッと、茶を啜る。


二度も同じ場所には来ないか。と、場所を移すため店を出た。


斉藤は、ふと空を見上げる。


六月半ば、もうすぐ本格的な夏の季節の訪れを高く伸びる雲が教えていた。



「これは、一雨来そうだな…」





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