駆け抜けた少女【完】
「あなたが、彼らに出会ったのは確かに偶然でしょう。
でも、少なからずあなたの中には私の魂がある……いつかは、彼らに出会う運命だったのです」
矢央は生命を授かった瞬間にお華の魂が混ざっている。
そしてお華の力と想いを僅かながら持ったまま生まれて、この時代に来て浪士組と出会った。
矢央は生まれた時から、こうなるのが運命だったのだと……お華は語った。
「あなたに、守ってほしい。
血の耐えない彼らにこそ、あなたの力が必要なんです」
切なる願いを、矢央にぶつけたお華だったが、聞こえてきたのは小さな吐息だけだった。
眉を下げお華は、矢央の気持ちを探ろうとする。
キョロキョロと安定しない視線。
戸惑っていた。
真実を知れば、自分の役目を知れば、この胸に宿るモヤモヤが晴れると信じていたのに。
晴れることすらなく、更にモヤモヤしているのは何故か。
お華は、これは運命だと言った。
だが果たして、本当に運命なのだろうか?
お華さんが私にってるなら……。
お華さんの想いが呼んだなら……。
これはお華によって作られたものであって、矢央にとっては運命などではない。
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