駆け抜けた少女【完】

少しだけ期待があった。


知らない時代に飛ばされ、周りは矢央という存在を一切知らない。


そして、自らも知らない。


後に歴史に残り、現代に多くの信者を集めた新選組と出会ったとて、矢央にすれば赤の他人にしか過ぎないのだ。


たった一人で不安な時、唯一の希望は彼らが愛した少女の生まれ変わりが自分なのではないかということだった。


彼らが矢央を助けてくれたのも矢央を匿って利益があるわけでもないのに面倒みてくれているのも、全て"お華"の存在があったからだ。



私がもし、お華さんと似ていなかったらどうなってたの?
お華さんが、力を取り戻していなかったらどうなってたのっ!


もう、ぐちゃぐちゃな気持ちに纏まりなんて存在しない。


運命?

何とも簡単な言葉だと思った。

こうなることが、生まれながらに決まっていた?


違う…………



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