駆け抜けた少女【完】
「私も彼女が自分で入隊を決めたのなら喜んで受け入れます。 そして仲間として、必ず守ります」
「……それよ、俺に言っても意味ねぇな」
「アハハ。 確かにそうなんですが、どうも私は女子を前にして浮いた言葉は言えません」
ベッと舌を出す沖田と、矢央を見て頬を染める藤堂が被って見えた。
また一層に複雑になる。
「………ガキだな」
「あなたもね」
「………かもな」
素直に今の気持ちを表すなら、永倉のは恋ではない。
今はまだ違う、しかし、友に対する想いでも家族に対する想いでもないような気がする。
では一体なんなのか。
「あ―……わかんねぇ」
結局、自分もまだまだガキなのだと思う永倉。
色んな事に悩みすぎ、全てを放棄したい気分だった。
そんな時だからこそ矢央にばかり構ってられないのが本音なのだが、だからといって放ってもおけず、永倉の悩みは積もりに積もる。
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