妖魔03(R)〜星霜〜
レインはうんざりしながら、椅子を自分の下に持ってきて着席。

「事実は事実、受け止めましょ。死んだ者が蘇るわけでもないんですしね」

「お前のやった事は、苦痛にもがいて死んでも許される事じゃねえ」

「自分の状況まで解ってないときましたか、頭が痛くなりますよ」

自分のやった事には、何ら罪もなさそうにため息をつく。

「でも、火野長老が黙って見てた、わけじゃねえだろ。あの人は近辺の事なら、解るはずだ」

「残念ですが、何の用意もせずに結界を決壊させると思います?」

「くそ」

こいつの事を考えれば、策略を立てるのは余裕そうだ。

「どの道、私が外への物資交渉をしなければ、栄養不足や病気になって生きてはこれませんでしたがね」

最初に出会った頃から怪しいと思っていたが、自分で全てをバラしてくるとは予想だにしなかった。

「死にかけの俺を助けたり、殺すために結界を破壊したのに村の皆を生かしていたり、何で、そんなわけの解らない事をするんだ?目的は、何なんだよ!?」

「彼らに対して調査を行ってたんですけどね。でも、村の人達は思想は違ってましたし、必要のない物として処理を施したまでです。あなたを生かしたのはここで死んだらつまらないからです。解りました?」

「お前は、自分を、何様だと思ってるんだ!」

「叫ぶほどの元気はあるところも不思議ですね。一つ忘れてましたけど、彼も原因の一つですよね?文句があるなら彼にも言ってもらわないと不平等だと思いますよ」

「てめえは、敵だ」

俺はレインに恨みを込めて睨みつける。

「またまた勘違いして」

レインは俺の元に近づいてくるや否や、傷口のある腹に拳をぶつける。

「あ、お、があああああ!」

「ただの負け犬が、敵とか口にしちゃ駄目ですよ」

レインに手を伸ばすことも出来ず、傷口を押さえる。

「ちゃんと療養してください。私はあなたに付きまとう気はありませんしね」

「く、そ」

「ああ、あなたには期待をしてる人もいるって事を忘れないで下さい。ではでは、また機会があれば会いましょう」

レインは一通り話すと、出て行ってしまった。
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