妖魔03(R)〜星霜〜
その瞬間、光を放っていない左腕が死んだ。

二度と上がらない。

光は大蛇が到着する前に、猛スピードでハンスへと向う。

ハンスは俺に気づいていたのか、大剣の側面でガードする。

だが、光の攻撃力の高さは大剣の高度を越えており、一気に焼き尽くし、ハンスがいた場所の後方まで一直線上に飛んでいく。

しばらくすると、光は止み、魔力と寿命を使った事による疲労が全身に襲い掛かり、力が抜け倒れる。

「くはあ」

首を動かすのも辛いが、ギリギリ顔を上げて見ると、剣もろとも消え去ったようだ。

しかし、油断は出来ない。

相手は不死身の男だ。

スパンはあるだろうが、再生を侮ってはならない。

「お前等!今の内に下がれ!!最初から、勝ち目なんかねえんだよ!」

必死に叫ぶと、チェリーの親達は俺を見る。

ハンスが一時的に戦線離脱したからといって、敵がいなくなったわけではない。

刹那、大蛇が撃たれる。

やはり、兵士達が周囲に隠れていた。

「くそ」

もはや、港に行く事は出来ないだろう。

「トンマな丞さん、逃げるですう」

「馬鹿野郎、チェリーがまだいるだろうが」

「某が行こう」

オマケもとい空気岩が、両刀を抜いて構える。

「お前の実力で、出来るのかよ」

「この島でニューフェイスとなった某!参る!」

鉄砲弾が飛び交う中、囮役となって空気岩が前進した。
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