妖魔03(R)〜星霜〜
弾丸を弾いたり、避けたりと本領発揮をしている。

あの時、拳銃を向けられた時に諦めたのは何故だ。

いや、今はそんな事を考えてる場合ではない。

大蛇が最後の力を振り絞りながらも、兵士のほうへと動く。

その間にチェリーと親達はこちらへと走ってくる。

後、五メートル。

「さっきの技、痛かったぜえ」

俺の背後から、声が聞こえてくる。

「もう、生き返ったのかよ」

回復力は伊達じゃない。

そして、蘇る位置は死んだ場所と同じではないのか。

「丞さん、何かすごい物がぶら下がってるですう」

後ろを向いてみると、裸体のハンスが大剣を持って立っている。

「くそ」

見たくもない物まで見てしまった。

「ギャハハハハハ!死にかけの野郎をぶっ殺すのは楽しみがねえけど、お前は俺様を殺したんだから、文句は言わねえ!」

大剣を構えて、振り下ろそうとする。

「丞さんは本当に、手間がかかるですう」

ティアが変鎖を解いて豚になり、ハンスに渾身の当身で共に後方に飛んでいく。

「ティア!やめろ!逃げろよ!」

しかし、途中で踏ん張ったハンスが片腕でティアの首を掴み、壁にぶつける。

麻痺能力が使えてないところ、当身はしたが拳を当てられなかったのか。

「止めろ、止めてくれええええ!」

今度は後方から高速で何かが過ぎ去っていく。

それは、チェリーの親かもう一匹の妖魔が変鎖を解いた物であり、闘牛の姿をしていた。
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