妖魔03(R)〜星霜〜
正しい事とは、何なのか。

俺には分からなかった。

そして、手の中のチェリーを抑えるのに必死になる。

力は戻ってきているが、限界がある。

子鉄が俺の手の内からチェリーを奪い取る。

「あの人はあんたを愛していると言ったわ。それだけは頭に叩き込んでおきなさい。そして、アタシは退魔師として、あんたを全力で守るわ」

チェリー自身が納得しないままに、俺達は先ほどの地下二階に繋がる道へと降りていく。

俺は自力で歩けるようになり、ティアを空気岩が背負う事となった。

「子鉄」

「え?七代先まで祟られたい?」

「いや」

声をかけたものの、子鉄の声に満足に答えられる程の力はなかった。

「美咲は?」

その質問によって、美咲の死後の笑顔を思い出した。

「美咲は、死んだ」

「そう」

「俺が、余計な事をしたから」

「そう」

「子鉄や皆を裏切って、それでも俺は生きている」

「そうね」

子鉄が立ち止まり、俺の前に立った。

「あんたは、最低ね」

子鉄の言葉はもっともだった。

そして、俺には美咲から受け継いだ約束があった。
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