妖魔03(R)〜星霜〜
「チェリー、力を借りるぜ」

「お兄ちゃん」

俯いているチェリーの肩に手を置く。

「お前だけは、絶対に死なさねえ」

トリガーを引いた瞬間、チェリーの魔力を吸い上げる。

暗闇の洞窟。

俺の魔力が増えあがる事で、体が一気に発光する。

「く」

闇から光という急激な変化により、ハゲの目が眩んだ。

その隙に、目を瞑っていた子鉄が一気に近づき拳銃を真っ二つに切り裂く。

そして、峰打ちによって、ハゲは吹っ飛ばされた。

「くそ」

しかし、俺の左肩は銃弾によって穴が開いてしまったようだ。

感覚はないにしろ、流血と魔力消耗は抑えきれない。

「丞ちゃん」

子鉄が俺の元に走ってくる。

「すげえな。自分自身に様をつけさせるだけはあるぜ」

「傷を見る前に聞かせて欲しいわ。あんた、左腕、動かせないでしょ?」

左肩を抑えるフリはしているが、子鉄にはすでにバレている。

「お前には、隠す必要もねえ、か」

動揺するかもしれない。

知らなければいいのかもしれない。

でも、俺は子鉄に隠し事をする気にはなれなかった。

「お前だから言うが、左腕だけじゃねえ。周りの色も見えない。味も解らない。そして、もうすぐ、寿命が切れて死ぬ」

小声で伝えると子鉄は顔をゆがめたが、すぐに冷静な瞳に戻す。

「いつ?」

「わからねえ。だが、死期は近い」

光を一、二回使えば、ジ・エンドだろう。
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