妖魔03(R)〜星霜〜
「何で二人暮らしアル?組織に入ればウハウハし放題アル」

前に座り込んだ女は逃げ道を封じてしう。

女は暇を持て余してるのか。

衣服が小奇麗な女は派閥の一人なのか?

「おちびちゃんはいい男になりそうアル。仲間になって色々な世界を体験をしないアルか?」

「私は一刻も早く地獄から出たい。だから、群れを作って目的を忘れるような世界に興味はないんだ」

「外の世界は下のアワビよりもドス黒いアルよ?」

「誰かの下につくなら、私は物品を奪って逃げるほうが性に合ってる」

「考え方がカチンコチンのビンビンで固いアル」

用がなくなったのか、女は立ち上がり背中を向ける。

「断ったら危害を加えるつもりか?」

「アチシは増長やら多聞みたいに盛ってないアル」

二人の名前を出した女の正体が読めてきた。

「広目、か」

「ふふん、アチシは立派な行きずりの女アル」

眼前の女が広目だとするならば、情報を多量に持っていてもおかしくない。

「おちびちゃんは鋭くて冷静アルな」

冷蔵庫を漁る広目は何もないと解ると、冷蔵庫に蹴りを入れる。

冷蔵庫の扉がへしゃげて、上手く閉じなくなってしまった。

「お嬢ちゃんを早く親元に返すと苦労がなくなるアルよ」

「帰りたいのなら帰れば良い。近くで死なれても困るから、飯を与えるだけだ」

「作るつもりがないのに「できちゃったんです、私」みたいなひどい目に合うことになるアルよ?」

酷い例えばかりだが、声色は至ってまともである。

親切な忠告を与える女には狙いがあるのか?
< 46 / 355 >

この作品をシェア

pagetop